相模原市歯科医師会について
会長挨拶
公益社団法人相模原市歯科医師会は「健康な心と身体はお口から」のスローガンのもと、お口の健康を通じて、市民の皆様の健康保持増進に取り組んでいます。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、歯の健康が損なわれ最終的に抜歯になる原因は、1位が歯周病(約42%)2位が虫歯(約33%)で、歯の喪失の原因の約80%が歯周病と虫歯ということになります。
歯を失うと噛む能力が低下し、低栄養に陥り栄養状態が悪化するため、身体―精神機能が低下してきます。このことにより、身体活動量及び体力の低下が起こりQOLも低下します。
これまで、歯周病は口の中だけで問題を起こす病気と考えられてきました。しかし最近、歯周病は口の中だけでなく、全身に影響を及ぼす事が解ってきました。歯周病に罹ると歯の周囲の細菌数が増え、増殖した細菌は炎症を引き起こす物質を生み出します。これらの物質や一部の細菌は、血管の中に入り込んで全身の各器官に広がっていきます。現在、可能性があると考えられている全身の病気には、動脈硬化などの血管系の病気、心臓病、肺炎などの呼吸器疾患、早期低体重児出産、そして糖尿病が挙げられています。また、新型コロナウイルス感染症における重症化リスクに関与しているとも言われております。
このように、お口の健康がいかに全身の健康に関与しているかがようやく認知されてきましたが、昨今の高齢者人口の増加に伴い、歯科医療における介護予防に対する新たな取組として、市民の快適な食生活を支え、かつ健康寿命の延伸を図るために口腔機能の維持・改善を目的としたオーラルフレイル対策の充実を図ることが重要となってきました。オーラルフレイルとは、高齢期の口に関する些細な衰え(むせ、食べこぼし、滑舌の低下、硬いものが噛みにくい等)を放置、或いは適切な処置がなされないことにより、生命予後に大きな影響を与える状態を指します。早期の「オーラルフレイル対策事業の実施」を重要と考え、令和3年度の相模原市への予算要望事項の重点要望事項に掲げております。
相模原市のご協力を得て相模原市歯科医師会は様々な研鑽を積んだ会員により次のような事業を展開しております。
①健診事業【乳幼児歯科健診、学齢期歯科健診、成人歯科健診(お口の健康診査)、口腔がん健診】
②診療事業【休日急患歯科診療、障がい者歯科診療】
*障がい者歯科診療においては、平成26年より全身麻酔下での診療を行っております。
また、在宅や施設へ入所されていて通院が困難な方々への歯科訪問健診・診療・口腔ケアも研鑽を積んだ会員協力医のもと行っており、平成27年より「在宅歯科医療地域連携室」を設置し、迅速な対応に努めております。加えて、平成30年4月より「要介護高齢者等歯科診療」(訪問診療では対応が困難な患者さんを口腔保健センターで診療する)事業も開始されました。
2025年問題を見据えて、相模原市歯科医師会はお口の健康を通じて、市民の皆様の健康を守るために、これからも努力を続けていく所存であります。
本ホームページには歯科医師会はもとより、歯科保健、歯科医療に関する様々な情報が掲載されております。相模原市民の皆様には、どうぞ積極的にご利用いただき、お口の健康の一助にしていただければ幸いです。